肉離れの損傷範囲と損傷度合いなどを詳しく診察します。筋肉組織の表面はは筋外膜という膜に覆われており軽度であればこの膜のみの損傷ですが、筋繊維まで損傷している場合は、中程度の損傷となり治療内容と競技復帰までの期間が長くなります。しっかりと損傷の度合いを見極める事が重要です。

肉離れの最初の処置はRICE処置を行います。イラストで示された通り、安静、冷却、圧迫、挙上を行います。特にアイシングは非常に重要で、筋損損傷に伴い過剰に起こる内出血を抑えることが出来ます。受傷された際には早急にアイシングを行ってください。早期のアイシングは治療の期間の短縮にもつながります。

損傷した部の内出血が収まってくると、負傷した部位の痛みの治療と、損傷した組織を出来る限り元の状態に修復させるための施術を行います。損傷部位は結合組織で埋められ硬くなったり、伸びにくい状態になる事が多いため、状態に応じて適切な電気治療と筋膜リリースなどの徒手療法を選択し行う事が必要です。

日常生活での痛みがなくなってくると、競技復帰へ向けてのトレーニングを開始します。肉離れは痛みがなくなったからといって即座に競技復帰しても、負傷前のパフォーマンスで競技をすることはできません。それどころか再び同じ部位を負傷する危険性があります。

そのため段階的に損傷部位に適度な運動を行いながら、競技に耐えうる筋力と運動神経を再学習させることが重要です。